今回は、リピーターのスタート地点ともいえるF2転換について、DM活用法と共にご紹介します。
F2転換とは?
F2転換とは、初めて商品・サービスを購入した方が、2回目の購入を行うことで、その指標(F2転換率)は以下の計算式で算出できます。
初回購入者5,000人の内、800人がリピート購入をした場合、F2転換率は16%となります。
このF2転換率については、商品・サービスの違いや販売方法、ターゲット層の違いで左右されるため、一概に何%あれば良いというものではありません。
ですが、商品ごとのリピート傾向の統計や、テストマーケティングを行う際の比較数値など、マーケティング活動では大切な指標になります。
F2転換に結び付く要因
商品のリピート購入に繋がるかどうかの要因はさまざまです。
第一に商品やサービスが顧客の期待に応えられているかどうか。
購入者の感想には個人差があります。商品やサービスが顧客の期待に応えられなかった場合、リピート購入をする可能性は低くなります。
逆に顧客の期待に応えられた商品・サービスの場合、リピート購入する可能性も高くなります。
1人でも多くの顧客を獲得するために、商品・サービスの品質向上を常に行い、CRM(顧客関係管理)を導入して、顧客から得た情報を管理し、細かく集計・分析を行いながら品質向上を実施している企業も増えています。
第二に購入後のアフターフォローの有無です。
商品・サービスが顧客の期待に応えられたとしても、リピート購入に繋がらないケースも充分にあり得ます。そのためF2転換に結び付けるように、さまざまな企業で購入者へのアフターフォローを実施しています。
例えば、次回利用可能なクーポン券の配布や初回購入特典のボーナスポイントの付与、セールやイベントの告知などが挙げられます。
購入後に「また買いたい」「また利用したい」と思わせるようなアフターフォローを行うことで、購入されるのをじっと待つよりもF2転換率の向上に繋がります。
アフターフォローの方法はさまざまですが、ガリバーが得意とするDMでもF2転換へと結びつけることができます。
DMを活用したF2転換施策
F2転換に結び付けるアフターフォローの方法を、実際にガリバーで実施したDMを基にご紹介します。
ご紹介するDMは、バリアブル印刷を活用した事例です。
ガリバーでは、宛名の他にもお客様ごとに異なるQR コードや最寄りの店舗情報、ポイント数やシリアルコード、画像や写真などさまざまな情報を可変印刷することができます。
実際に実施したDMの1 つに“お客様の購入履歴を可変”した事例がございます。
その事例で取り扱った商材は、年に1度買い替えを行うもので、DMも決まった時期に既存顧客向けに発送する事例でした。
元々は取り扱っている商品がズラッと掲載されたカタログを発送していましたが、購入者のほとんどが前回使っていたものと同じものをリピート購入している傾向にある点に着目し、商品の掲載量を減らし、注文用はがきに前回購入した商品の情報を個別に可変印刷する仕様に変更しました。
これまでは、リピート購入したい方もカタログから品番を探して、記入して、注文するという手間のかかる流れでしたが、購入履歴を可変で印刷したことでリピート購入する方は注文はがきのチェックボックスにチェックを入れるだけで申し込みができるという親切な仕様に変わりました。
その結果、レスポンス率はカタログを封筒に入れて発送していた時よりも2.8倍になりました。
さらに、仕様変更後もDMの改訂を繰り返し、個別のQRコードを印刷して前回購入履歴を表示した個別の商品購入ページにリンクするDMを実施した際には、レスポンス率50%以上の効果を出すことに成功しました。
元々リピーターだった方はもちろんF2で購入する方にとっても、注文時の手間を省いた顧客目線のDMとなります。
バリアブル印刷以外にも、購入履歴から商品が使い終わる時期を予測して、再購入を検討するタイミングでDMをお送りするという方法もあります。
これにより、リピート購入を検討するきっかけを与えることができます。
他には、再来店を促すクーポン付きDMをお送りする方法もあります。
例えば、直近半年~1年以内で初めて商品・サービスを購入した方をターゲットに、限定クーポン付きのDMをお送りすることで、商品・サービスを思い出すきっかけになり、限定クーポンで特別感も演出し、初回購入で終わってしまった休眠顧客へのアプローチにも繋がります。
ただ購入されるのを待つだけではなく、DMのようなプッシュ型の広告媒体を活用して、購入のきっかけを与えるのもF2転換では重要なポイントになります。
F2転換の重要性
では、なぜF2転換がマーケティングにおいて重要視されているのか?
その理由は、大きく2つあります。
新規と比較したコストの違い
1つ目は新規と比較したコストの違いです。
新規・既存問わず、宣伝を行う際は費用が発生します。
ターゲットが新規顧客の場合、既存顧客の約5倍のコストがかかるといわれていて、これを「1:5の法則」と呼びます。
新規顧客をターゲットとする場合、最初に商品・サービスの認知から始まるため、1人でも多くの人に情報を周知・拡散するためにさまざまな広告媒体を用いて広告を行うことがあります。さらに、DMやメルマガなど個人や企業ごとに個別に情報を発信する場合、発信先のリストを新たに得るための費用も発生します。
一方で、既存顧客の場合は、すでに自社商品を認知している方に向けての発信になるため、必要以上に情報を伝える必要がなくなり、使用する広告媒体を限定することができます。さらに顧客の特性を分析することで、ターゲットに合ったより効果的な広告手段に絞り込むことができ、効率化につなげることもできます。
そして、既存顧客をターゲットとしているのでDMなどを実施する際もハウスリストを活用できるため、リストの購入費用も抑えることができます。
このように、新規と既存で広告宣伝費にかかる費用が大きく変わることから、新規顧客が既存のリピーターになることは企業にとって非常に効率的であることがわかります。
LTVへの影響
2つ目はLTVへの影響です。
リピーターが増えることでLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)の向上に繋がります。
昨今、企業間の競争が激しくなり、似た商品が次から次へと生み出され、商品の高級化や低価格化も進み、市場が飽和状態になっています。商品が市場に溢れているということは、顧客は複数の企業に分散され、新規顧客の獲得も難しくなっているということに繋がります。
そこで、顧客1人あたりが1つの企業に対して生涯どの程度の消費をするのかを示すLTVが注目されています。
前述のとおり、新規顧客と既存顧客ではかかる費用に約5倍の差があります。つまり、既存顧客の囲い込みを行うことで、広告費を抑えつつ、継続的に利益が得られるようになるということです。
新規顧客の獲得が難しくなった飽和市場において、既存顧客の囲い込みは重要な施策となります。
それは、元々の既存顧客だけでなく、初めて商品・サービスを購入した顧客の囲い込みも同様です。
すでに継続的にリピート購入を続けている顧客は離脱しにくい一方で、新規で商品・サービスを購入した顧客はまだ離脱の可能性が高い層になります。F2転換の施策で新規顧客をリピーターにし、その後も継続的に関係を維持することで、リピーターの分母が増えてLTVが高くなります。
リピーターの数を増やすことは、企業の利益率を上げるのに大切です。
特にF2転換=リピーターづくりへの第一歩は、企業にとって非常に重要なマーケティングテーマとなります。
DMなら、企業から顧客に直接アプローチができるので、リピート購入のきっかけ作りや購入しやすい環境作り、1人ひとりにあったタイミングでの宣伝など、細かな配慮が効いたアフターフォローを行うことができます。
WEBのような受け身の媒体ではできない、DMによる積極的なF2転換の施策をぜひご検討ください。
この記事で紹介した商品・サービス
最後に
1:5の法則 について
アメリカのコンサルティング企業であるBain & Company社の名誉ディレクター、フレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱した法則です。
著書「ロイヤルティ戦略論」より
ガリバーはDMの印刷・発送にとどまらず企画からお客様を全面サポートしています。
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