ダイレクトメールを作る際、ポイントの1つに“レスポンス率”が挙げられます。
「DMのレスポンス率は平均何%なの?」
「DMのレスポンス率はどれぐらいが理想なの?」
きっと多くの方がDMを検討する際に考えるポイントですが、これらの疑問に対して明確な数字で回答するのは難しいのが現状です。
では、レスポンス率の良し悪しはどのように見極めたらいいのか。
今回はそんなDMのレスポンス率についてお話をさせていただきます。
レスポンス率の比較で大切なこと
一概にレスポンス率といっても、目的や条件、商材やターゲットによってその数字の見方は大きく変わります。
例えば、同じ企業から同じターゲットに同じ仕様で10,000通のDMを2種類投函したと仮定します。
AのDMは単価2,000円の商品を売り込むことを目的に、BのDMは単価5,000円の商品を売り込むことを目的にそれぞれ作成しました。
2種類のDMのレスポンスを共に“DMからの商品注文”とした時、どちらもレスポンス率(注文率)が5%となりました。
この場合、AとBそれぞれのDMの結果は同等であったと判断することができるか。
確かにレスポンス率の数字だけを見比べた場合、DMからの商品注文率はどちらも同じ5%です。
作った仕様も通数も同じなので、DM1通あたりの単価も同じです。
ですが、ここで比較すべきポイントは売り込む商品の単価にあります。
AのDMは2,000円の商品を500人にご注文いただいたため、1回のDMで得られた売上は1,000,000円です。
一方、BのDMは5,000円の商品を500人にご注文いただいたため、1回のDMで得られた売上は2,500,000円です。
AのDMもBのDMも1通あたりのDM単価が同じである点からみても、BのDMの方が成果を得ていることがわかります。
つまり、レスポンス率が仮に同じであったとしても、そのレスポンスによってどれだけの成果を得られたのかを見比べることが大切なのです。
これはDMに限らず、他の広告メディアでも同じことが言えます。
ただし、単純にDM1回で得られた成果を見比べるだけではレスポンス率の良し悪しはまだ判断できません。
費用対効果を検証して、初めて判断することができます。
ここからは、広告の費用対効果を測るための指標となる“CPO”と“CPA”についてご紹介します。
費用対効果を測る指標 CPOとCPAとは?
広告の費用対効果を測る指標“CPO”と“CPA”とは何なのか?
こちらをまず簡単にご紹介します。
CPO(Cost Per Order)
こちらは1件のサービスや商品の注文を獲得するためにかかった広告費用がどのくらいだったのかを測る指標です。
先程、例で挙げたBのDMが仮にDM広告費用100万円であったと仮定した場合、
→広告費用1,000,000円÷注文数500件=注文1件あたりの広告費用2,000円
という計算が成立します。
CPA(Cost Per Action)
こちらは1件の成果や顧客を獲得するためにかかった広告費用がどのくらいだったのかを測る指標です。
CPOは1件の注文を目的としたものに対して、CPAは新規・見込み顧客につながるコンバージョンのありなしで判断する指標となります。
例えば、広告費用800,000円で資料請求を目的としたDMを作成したと仮定します。
そのDMを5,000件の企業向けに投函したところ、5%の企業から資料請求や問い合わせが来たとします。
この場合のCPAを算出すると、
→広告費用800,000円÷コンバージョン数250件=1件あたりの費用3,200円
という計算が成立します。
類似するCPOとCPAはそれぞれの目的が異なる点に注意しましょう。
これらを具体的に算出することで、1回のDMの費用対効果を検証するための指標を得ることができ、同時に今後の改善点についての対策を練る検討材料を得ることができます。
費用対効果を絡めた正しいレスポンス率の見方
1回のDMで得た成果とCPOやCPAによる広告の費用対効果の検証ができたところで、ようやくDMのレスポンス率の良し悪しが見えてきます。
ここでも、序盤で挙げた2種のDMを例に見ていきます。
先にBのDMは広告費用1,000,000円で注文数は500件。
1件あたりの広告費用が2,000円に対して、売り上げた商品の単価は5,000円となります。
つまり、費用対効果においてBのDMのレスポンス率5%は上々の結果であったことがわかります。
一方、AのDMは全体の広告費用、注文数、1件あたりの広告費用は全てBのDMと同じですが、売り上げた商品の単価は2,000円となります。
CPOの数値と売り上げた商品の単価がどちらも同じ2,000円のため、この場合のレスポンス率5%は少し厳しい結果であったことがわかります。
このように、レスポンス率が同じであっても費用対効果は目的や商材によって異なるため、レスポンス率の数字だけでDMの結果の良し悪しを判断することは難しいのです。
ですが、裏を返せば上記の考え方で逆算することで、直近で実施するDMに対してどれだけのレスポンスが必要なのかを判断することができます。(広告費以外の営業費等の諸費用なども別途加算する必要があります)
レスポンスの先にある顧客生涯価値とは?
CPAで考える場合は、LTV上昇についても考えましょう。
LTV(Life Time Value)=顧客生涯価値とは、顧客1人あたりが1つの企業に対して生涯どの程度の消費をするのかを意味します。
DMのレスポンスを“無料キャンペーンの申し込み(見込み顧客獲得)”とした場合、そこからいかに新規獲得(本契約など)に結びつけ、それを維持して、LTV上昇を図れるかが重要となります。
DMから得られた顧客のLTVが高くなるほど、1件あたりのレスポンスの価値も高くなります。
レスポンス率が15%でもその内の過半数が1回きりで離れてしまったDMと、レスポンス率は5%だったけれど、その内の過半数がその後数十年にわたっての長期継続に繋がったDMでは、その費用対効果は大きく変わってくることがわかります。
レスポンス率の良し悪しは時に長い目で見ていくことも大切です。
まとめると、目的、広告費、通数、成果によって、レスポンス率の数字の見方は大きく変わります。
「一般的なDMは〇〇%のレスポンス率がないとダメ」
「他社と比較してレスポンス率の数字が良くない」
「レスポンス率50%以上が絶対!」
もちろん、目標とするレスポンス率を設定することは大事ですが、極端にレスポンス率の数字だけに縛られるのではなく、具体的な広告内容を明確にして、目的の範囲を整理した上で、何%のレスポンスを確保したらよいのかを判断し、かつその目標に則した販促企画を立てることがDMを含む広告の第一段階にあたると私たちは考えます。
最後に
ガリバーはDMの印刷・発送にとどまらず企画からお客様を全面サポートしています。
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