今回は、パーソナライズ戦略を取り入れたカラーバリアブルDMについて、バリアブル印刷の考え方や注意点を交えてご紹介します。
パーソナライズ戦略とは?
各業種でさまざまな形の販促がある中、近年“パーソナライズ”が注目されています。
マーケティングにおける“パーソナライズ”とは、顧客の属性や興味・行動などを分析して、一人ひとりに最適な情報をアピールし、サービスを提供する手法です。
例えば、あなたがECサイトで洋服を調べたり、購入をしたとします。
次に同じECサイトを閲覧した時、以前調べたり購入した洋服に類似したものが関連商品といった形でオススメされることがあると思います。
これもパーソナライズ販促の手法の1つで、利用者の好みを汲み上げ、次の購入への興味を誘います。
このようにさまざまなマーケティング活動において、これまで主流となっていたマスマーケティング手法からパーソナライズ戦略が重要視される時代へと変化しています。
ダイレクトメールもただ送るだけではなく、パーソナライズを行った活用方法が注目されています。
不特定多数と特定少数の販促方法の違い
マスマーケティングは不特定多数に対して一斉にアプローチを行うことを指し、代表的な方法にテレビやラジオのCM、新聞などがあります。
ダイレクトメールでも幅広く平等に情報を送るマスマーケティング手法を取り入れるケースがあります。
では、“パーソナライズ”におけるダイレクトメールの位置づけはどうなるか。
最初にお伝えしたように“パーソナライズ”は特定した個々にアプローチを行う手法を指します。
“パーソナライズ”を意識したダイレクトメールを作成する際、一番重要となるのが「セグメント」です。
ここでいう「セグメント」は、顧客リストの選定を指し、年齢、居住地域などの基本属性や購入履歴などさまざまな条件でリストを細分化する作業を意味します。
例えば、ある旅行会社で東京都23区在住かつツアー利用頻度が年1回以上の会員向けにダイレクトメールを実施しようとした場合、その条件で顧客リストを絞り込むことで、ターゲットを限定した販促を行うことが可能になります。
このリストに東京を巡る観光の案内をしてもレスポンスは伸び悩むと予想できます。
マスマーケティングとはこの時点で一線を画するモノに変化しています。
しかし、ここで疑問が生じます。

確かにセグメント作業はパーソナライズにおいて必須ですが、基本属性や購入履歴などでセグメントをしただけではパーソナライズを行っているとは言い切れません。
《パーソナライズ=一人ひとりに合わせて変更する》
すなわち、発送先一人ひとりに合わせたダイレクトメールを配布することが次のステップとなります。
そこで今回ご紹介をするのが“カラーバリアブル印刷”です。
カラーバリアブル印刷でパーソナライズ戦略
ガリバーでは宛名や店舗情報の可変印字はもちろん、宛名ごとに可変したQRコードを使ったQRプロモーションDMなど、印字でさまざまなバリアブル印刷を行っています。
ですが、今回の“カラーバリアブル印刷”はさらに複数のデータを組み合わせ、ダイレクトメール1通ごとにカスタマイズする販促手段です。
例えば、ある旅行会社に3パターンの会員がいるとします。
- Aの会員層は、日帰りバスツアーなどの比較的近場で安価なツアーを多く利用している会員
- Bの会員層は、国内で新幹線や飛行機を利用した宿泊付きのツアーを多く利用している会員
- Cの会員層は、海外など飛行機や大型客船を利用しての長期ツアーを多く利用している会員
これらの会員全てに“アメリカ・ニューヨークの旅”をテーマとしたダイレクトメールを送った場合、どの会員が一番反応率が良いと思いますか?
メインはCの会員層、続けてBの会員層が興味を示す層ではないかと想像がつきます。
逆にAの会員にアメリカ旅行の案内を送った場合、反応率はCやBの会員に比べて低迷すると思われます。
では、今度は会員層ごとに違うテーマのダイレクトメールを送ります。
- Aの会員層には、“山梨旬の味堪能バスツアー”を案内
- Bの会員層には、“秋の京都巡り宿泊付きの旅”を案内
- Cの会員層には、“アメリカニューヨークの旅”を案内
全ての会員に共通のテーマでダイレクトメールを送るよりも、それぞれのターゲット層にリンクしたテーマで案内を送った方が興味関心への結び付きが高くなると予想されます。
さらに、居住地域やファミリー層など細かいセグメントを行うことができれば、料金プランや特典も可変にすることができ、よりニーズに近づいた内容のパーソナライズ仕様で訴求することができます。
合わせて、広告内容と同じように可変を行うことで効果が期待されるものに「ユーザーボイス」があります。
「ユーザーボイス」とは利用者の感想や意見を記したもので、ダイレクトメールにおいても重要な要素になります。
例えば、若年層向けアンケートの結果を高齢層や児童をターゲットとしたダイレクトメールに掲載しても効果は表れません。「ユーザーボイス」は自分と離れた層の人の感想を記載しても商品に対するイメージはしにくくなります。
そこで「ユーザーボイス」も性別や年齢層に合わせて個別に可変をします。自分に近い存在の感想を聞くことで、「自分にも合いそう」「試してみよう」など、イメージしやすくなると予想できます。

以上のことから、この3つの要点を押さえてバリアブル表現をすることで、ダイレクトメールは〈ただ送りつけられた媒体〉から、〈あなたに向けて届けられた媒体〉へと進化することができます。
パーソナライズ戦略は信書に注意
顧客それぞれのニーズをとらえたバリアブル紙面に仕上げることが、ダイレクトメールにおけるパーソナライズの販促であると考えます。
ただし、ダイレクトメールにてパーソナライズを行う場合、必ず“信書”に注意しなければなりません。
信書とは受取人を特定した文書や、商品の購買等利用関係があることを示す内容の文書を指し、信書に該当する場合はゆうメールやクロネコゆうメールでの発送ができなくなってしまいます。
例えば「会員限定!特別ツアー」や「○○ツアーをご利用いただいた方」などの文言は信書に該当します。
パーソナライズしたダイレクトメールを発送する場合は《送り先ごとの内容で、文言は特定しない》が鉄則となります。
都合により信書に該当する文言を使用する必要がある場合は、別途発送方法をご案内いたします。
どのようにパーソナライズしたらよいのか、どのようにセグメントをしたらよいのか。あなたのお悩みをぜひともガリバーにご相談ください。専任スタッフが最適なご提案をさせていただきます。
最後に
ガリバーはDMの印刷・発送にとどまらず企画からお客様を全面サポートしています。
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