表紙で受け取り手の興味を引き、DMやパンフレットを開かせることに成功したら、次は「中面で離脱させずに最後まで読んでもらい、行動(レスポンス)へ繋げるにはどうすべきか」が課題となります。
今回のコラムでは、中面のデザインにおけるレイアウト、フォント、配色のセオリーを紐解きながら、「ユーザーの納得を生むための中面制作」の考え方を解説します。
中面の役割は期待を「確信」に変えること
表紙はユーザーに興味や期待を持たせるための「入り口」としての役割があります。一方で中面には表紙で持った興味や期待に対して、具体的な根拠や詳細情報を提示して自分にとって必要な情報であることを「確信」させ、「行動(レスポンス)」に繋げる役割があります。
中面を作成する際の最大のポイントはマーケティングツールの目的と伝えたい情報を明確にしておくことです。
中面制作で注意すべき点は掲載内容と量です。マーケティングツールの目的とは明らかに異なる情報が載っていたり、情報が多すぎて紙面が煩雑になっていると、ユーザーが途中で読み進めることをやめてしまい、以降のレスポンスまで誘導できなくなってしまいます。
中面制作時は、まず表紙に載せた内容を中心に、具体性のある情報の中から必要な内容を取捨選択します。その後、できるだけ簡潔かつ起承転結を意識したレイアウトに仕上げることで、内容が頭に入りやすくなり、ユーザーをより自分ごと化させて行動を促しやすくなります。
以降からは中面作成時のセオリーについてご紹介します。
成果を最大化するデザインの考え方 【表紙編】はコラム150で解説
読了率を高める「レイアウト・フォント・配色」のセオリー
中面を作成する際は、主に以下の3つの要素を意識してデザインを行います。
1. 視線誘導と決定回避を意識したレイアウト
表紙と同様、中面でも読者の視線がスムーズに流れるよう「視線誘導」を意識して設計します。
レイアウトを組む際は、大見出し、小見出し、本文という順に、視覚的な重み(ジャンプ率)をつけて配置します。さらに画像や写真も文字の大きさと同様サイズに強弱をつけることで紙面全体にメリハリを持たせ、読み進めやすくすることができます。
そして、読み進めた先の選択肢を増やしすぎて読者を迷わせない配慮(決定回避の法則)も大切です。
例えば、商品の注文購入を目的としたダイレクトメールを作成する際に、注文用紙だけでなく、お客様アンケートのQRコードや最寄りの店舗情報の掲載など行動の選択をいくつも用意したとします。その結果、注文するのか、アンケートに答えるのか、来店するべきかの選択肢が複数設定され、ユーザーがダイレクトメールの本来の目的と違う行動を取ってしまったり、場合によっては煩わしさから行動をためらってしまい、レスポンス自体が得られなくなってしまうといったケースが起こりえます。
注文方法を複数用意することはユーザビリティ向上に効果的ですが、そうでない場合は極力選択肢を広げすぎないようにレスポンスまでの導線を整えて、読者が次に取るべき行動に迷わず導く流れを作ることが重要です。
2. 可読性を高めるフォントの選択と読みやすさへの配慮
中面は文字数が多くなりやすいため、可読性(読みやすさ)の高さが求められます。
行間や文字間の適切な調整は情報の理解スピードを速め、読者のストレスを軽減させる重要なポイントです。文字が上下左右で詰まっているだけでもユーザーに読みにくい印象を与え、読み進めることへの抵抗感を与えてしまいます。
紙面を読む際に起こりえるストレスを軽減させることもレスポンスへ繋げるためには欠かせない配慮です。
また、掲載する情報量やページ数が多い場合や幅広い年齢層をターゲットとしている場合などには、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの採用もオススメです。
3. 情報を整理・強調する「配色」
要素や目的ごとに配色を変えて視覚的にカテゴリ分けをすることで、ユーザーが情報ごとの掲載範囲を理解して紙面の内容を整理しやすくする工夫も効果的です。
補足説明には落ち着いた色、強調したいキャンペーン情報には注意を引く色など、ポイントごとに色を変えることで情報の優先度の調整や注目箇所の強調なども行うことができます。配色を意識したデザインを制作する際は全く異なる色で違いを付けるだけでなく、紙面全体のキーカラーを統一しつつ濃淡で強弱をつけて、注目してほしい箇所を強調したり、じっくり読み進めてほしい箇所を示すといった方法もあります。
バリアブル印刷でユーザーの行動を促す
上記のセオリーを適用した上で、さらに紙面をパーソナライズ化した仕様にすることでより行動を促す効果を高めることができます。
バリアブル印刷を用いて中面の掲載内容をターゲットごとに差し替えることで、受け取った情報をより自分ごと化しやすくしてレスポンス率の向上に繋げることができます。
例えば、顧客一人ひとりの購入履歴に基づいて、ダイレクトメールの宛先ごとにオススメ商品を可変で掲載すれば、情報の価値は「一般的な広告」から「顧客一人ひとりへの提案」へと変わります。
顧客一人ひとりに合った情報がピンポイントで届くことで、顧客にとって必要な情報であると強く思わせることができ、商品の注文やお問い合わせなどのレスポンスへと誘導しやすくします。
パンフレットなど宛名のない印刷物でも、配布するターゲット層に合わせて紙面の内容を変更することで、情報を届けたい層、より興味を引くことができる層に適切な情報を届けることができます。
また、ダイレクトメールの場合、レスポンスツールに事前印字を入れることも効果的です。
注文やお問い合わせ用のはがきやFAX用紙などに宛先とリンクしたお名前や住所、会社名等の情報を事前印字することで、受け取った方がレスポンスを行う際の記入の手間を省くことができます。
この小さな配慮が、レスポンスのしやすさを生み、さらには広告主への信頼や期待を生むこともあります。
レイアウトの整理、可読性の向上、色彩心理学の応用といった基本を積み重ね、そこにバリアブル印刷などの印刷技術を掛け合わせることで、ユーザーの期待を「確信」に変え、「行動」を促す効果的な中面のデザインを実現することができます。
最後に
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